私は今日、劇団のお仕事をするため、目黒区のどこかで荷物を受け取り、都内某所へと向かった。
作業をする部屋を開けられるのは私しかいない。荷物を受け取る都合で、時間はギリギリだ。一緒に作業するメンバーを待たせてはならない。遅れてはならない。走れメ○ス。
私は電車に飛び込んだ。一番前で並んでいたので、優雅に座って目的地へ向かった。
あと一駅で着くという時に、急に眠くなった。そういえば、ほとんど寝てなかった。一駅だけ、寝ることにした。
もちろん、それが悪かった。
電車を降りて、目的地へ向かった。着く直前で、カバンが無いことに気づいた。作業するための荷物が大事だし、重かったし、そればかりに気を取られ、カバンを忘れていたことに気づかなかったのだ。
「大変だ!!」
と、普通はなる。しかし、私の悪い癖が出た。
「起きたことはしょうがないさ」
後で届け出れば見つかるだろうと思った。即座にカバンの中身を頭の中で探った。
クリアファイルと中の書類→控えが家にある。
携帯の充電器→とりあえずコンビニで買おう。
中国史の小説→続きを読みたい。
タオル→しょうがない
etc.
貴重品はなかったので、全く慌てず、後で電話しようと、呑気に先に進んだ。
私はどうも、何か慌てた方がよさそうな時、呑気になる癖がある。
カラオケボックスで、地震で避難誘導があった時、「あのパニックの中に混ざる方が危険よ」と、友人とのんびり荷物をまとめて、ゆっくり出て、まだいたのかと店員さんに呆れられたことがある。
他には…、なんかパッと思いつかないけど、大抵そうなのである。
なんか大事なことがある時に病気になったり、痴漢にあったり、逃げ場がなかったり窮地に追い込まれたりしたら、胸中穏やかではないけど。
とにかく、頭の中で瞬時に計算して、呑気になる癖がある。
帰りに山本さんに話したら、「すぐに電話しなさい」と、呆れられた。
結果、見つかった。忘れ物取扱い所で、前二人が続けざまに無いと言われていたので、俺もかと思ったけど、届いててよかった。
そもそも、忘れ物に気を付けねば。そういえば、小学5年生の頃、クラスで一番忘れ物が多かったなぁ。